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シングルパパ雪次郎の部屋

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写真の腕はまだまだなので、デジカメで被写体を沢山撮りまくって奇跡の一枚を探す。その確率は50枚分の1枚くらいのような気がする。残りの49枚を気前よく削除できるかどうか。それをクリア出来た時、おいらみたいな人間でもいい写真は撮れるような気がする。

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2002.04.25. 理論武装

RIMG1003.JPG昨日 園に有希を迎えに行き、帰るとき玄関で有希が

一つ下くらいの女の子に「有希ちゃん!お母さんいないんでしょ!」

と、言われてました。

有希は「うん!」と答えてました。
しょっちゅう言われてるみたいです。
父子家庭は園でうち一軒なので珍しいのでしょう。また、お母さんが居ないというのは他の子からすると超不思議な事柄に写るのだとおもいます。 
当然、男の子はもっと残酷です。

「どうしてお母さん居ないの?ねえ!どうして?!」

しかし、この何年もの間、有希にすれば耳にタコが出来るくらい慣れっこになってしまったことなのです。
聞かれるのも返事をするのもです。
有希が自然に返事をかえすので、先生方もあまりそのやり取りに心配はしていないようです。
鈍感なのかもしれません。
強いのかもしれません。
1歳のときから お母さん無しの生活が始まっているので、母親の姿、形を彼女がイメージイングすることはできません。
でも園でその質問を君がされるたび、胸の中でガラスがまた一枚「パリーン」と割れる音がお父さんには、なんとなく聞こえるのです。
考えすぎかもしれません。
でもなぜそう思うかというと、有希はお父さんにほとんど

「どうして私にはお母さんが居ないんだ?」と言う質問をしたことがありません。池田家のなぞのひとつです。

聞かないのです。お父さんには..ふしぎです。

 そして夜寝るとき、まるでロッククライマーが岩によじのぼる時のように、毎日、両手両足をお父さんにがっちりしがみつかせて寝ます。痛いほど強くしがみついてきます。
その有希の様子から聞こえてくるのは

「なんで自分には お母さんが 居ないんだヨー?」ではありません。

こう聞こえるんです。

「毎日、聞かれてんだよー! 何でいないのかって 聞かれるんだよー

 なんて答えたらいいんだよー! 聞かれるのもういやナンダヨー!

 どうやって うまいこと 答えたら いいんだよー! 

 おしえてくれよー! 助けてくれよー!

 お父さん おとななんだろー! 助けてくれよー!

 なんで助けてくれないんだよー! おまえ おとなんだろ!

      おとななんだから「助けろ」って言ってるんだよー!」

 が、しかし お父さん 助けてあげられないんですよね。どーしようもないんですよー。
世の中には事情を持った家庭がいっぱいあるんです。君だけじゃないんです。そこに気がつかなきゃダメなんです。
そこに気がつける年齢にならなきゃ、どうしようもないんですよー。

 無信仰なお父さんですが、この時ばかりは、祈りに力が入るんです。

微力な祈りと知りつつ

「早く強くなってくれー、早く強くなってくれー、早く強くなってくれー、

 早く強くなってくれー、早く強くなってくれー、早く強くなってくれー、」

気が付くと そんな言葉を連呼してます。そして背中をさすります。さすりながら また

「早く強くなれー 早く強くなれー 早く強くなれー 早く強くなれー 」....

バカの一つ覚えみたいに またはじまります。

 でも そのうち 有希がもっと大きくなって ちゃんと向き合って話をしなきゃいけない日がきますよね。

「なんで お母さんが いないんだ!」 そんなテーマで.....

お父さんもその質問がいつくるのかいつくるのかと思ってはいるのです。
でも実を言うと 聞かれたときどうしようかあまり深く考えてません。
いきあたりばったりでいこうと思います。というか、先に考えすぎて言うことを決めてしまっていると理論武装することになり、大人特有の言葉の鎧(よろい)を着ることになるからです。
その時がきたら、その場でしどろもどろになりながらでも、どんな小さな嘘もかなぐりすてるような赤裸々な気持ちで目の前の有希の感触を確かめながら、臨機応変にしゃべってみようと思っているので、それまでは、お父さんの頭の中では白紙にしておきたい部分なのです。
考えないということが最大の誠意のような気がしてしょうがないのです。

 でも毎日のように「お母さん居ないんでしょ?」と聞かれる保育園に登園するのはイヤなんでしょーうね、きっと。

しかしこの5年間病気の時意外はほとんど登園してます。
無遅刻です。無早退です。「行きたくない」とゴロツイたことないのです。
ですから 親バカと揶揄されても、お父さんはこの子を「偉い!」と思ってるのです。
誇りに思えます。袂は分かちましたが誇りに思える子供を生んでくれた有希のお母さんにも ちゃーんと  感謝してますよ。








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