有希の夏休みが終わった。
お父さんの仕事上どこにも連れて行けなかった。最終日、有希と万葉の湯へ行って、一泊、ざこ寝してきた。
ほとんど旅行にもキャンプにも行ったことのない我が家の特殊な価値観の中で有希は、万葉の湯で一泊するのが最高の贅沢だと思っている。ディズニーランドは外国にあると思っているかもしれない。(ある意味正しいが、、)。ハワイは死んだ後に行くところだと思っているかも である。
夏休みの最後の週、大会があった。各学校、受験勉強期間のため3年生が全員いなくなって初めての大きな大会である。カデットと言って、いわば新人戦。全国大会まであるので、3年生抜けで初めての大きな大会。なのでその大会に向け有希も夏休みは部活中心だった。そのため親がどこにも連れていかなくてもいいという免罪符を手にできたともいえる。
大会の結果は、三年生が抜けてハードルが低くなり、1日目のダブルス戦は5位。(6位までが全道出場)。
2日目、個人戦はベスト8だった。(ベスト18までが全道出場)。
ダブルスと個人戦とで、有希は全道大会のチケットを2つも手に入れた。
全道行きはいいのだが、開催地が札幌とか函館とかだったら、2泊3日を覚悟せねばならない。自分は付いていけないので、おじいちゃんにお願いするとして、2人分の宿泊費と交通費、飲食代、4、5万は飛んでいくだろうなぁと、薄氷を踏む思いで背筋に緊張が走ったのだが、なんと、開催地は旭川だった。しかも総合体育館。自転車で行けるではないか、助かったぁぁあああ!。
今年から変なルールになった。バトミントンなんかもそうらしいのだが、今までは、上の大会に出場する権利を得るのは、ベスト2とか、ベスト4、ベスト8、ベスト16とかの、いわゆる、2のN乗の定員数になる。なのでトーナメントの上位のどこで区分けするかの一発で決まるパターンなのだが、ダブルスはベスト4ではなくベスト6、シングルスはベスト16ではなくベスト18.
変な定員数なのである。
でもこのルールはとてもいいルールだと思う。
今回のダブルスなのだが、
準決勝まで行ったチームはベスト4になるため、その時点で全道行きが決定する。
残りの2つの椅子をベスト8までは行ったけれども、ベスト4になれなかった4チーム(8?4チーム)で、またまたトーナメントをし、決勝まで行った2チームが出場権を得る。(この場合は代表決定戦一回戦だけを勝てば決勝に行くので、一回だけの勝ちで全道出場権を得ることになる。)
いわゆる敗者復活戦という言い方がわかりやすいのだが、一回戦目で負けた選手までチャンスがあるわけではないので、敗者復活戦という言葉は使わず、代表決定戦一回戦とか2回戦とか、そう表現しているみたいだ。
つまり、ベスト4になれなかったベスト8限定の敗者復活戦ということになる。
有希は、準々決勝で負けてベスト8止まりだったので、残りの2つの椅子の1つを取りに、この代表決定戦で試合をするところだったのだが、相手2チームが(も)怪我とかの棄権があり、労せずして棚ボタ的に権利をゲットした。その場合の評価表現はベスト6で5位ということになるそうだ。
個人戦の場合、ベスト16ではなく、ベスト18なので、トーナメントで一発で決まらない。なので代表定員の数を見ることによって、全道大会に何人行けるのかの数を確認することによって、限定敗者復活ルールがあるかないかが分かることになる。
つまり、定員が2のN乗とか4の倍数でない場合は、限定敗者復活ルールが採用されていることになる。
しかし、このルールが浸透していないため、個人戦の場合では、準々々決勝で負けた選手(ベスト16に入れなかった選手)の応援に来ていたギャラリーさん達は早々と帰ってしまうという場面が多かった。その後の敗者復活劇が展開されるかもしれないというのにである。
直前に負けた選手に、負けてもチャンスがあるというこのルールはいいと思うのだが、分かりづらいとの苦情をチラホラ耳にしたが、分かってくるとなんのことはないのではないか、そう思う。
有希は始めての全道だが、目標は1回戦突破だろう。
せかっく旭川での開催なので、ちょっとお父さんも覗いてみようと思う。