中学に入って有希は突然忙しくなった。
部活の卓球部は2年生と3年生合わせて4人しかいない。ゴールデンウィークに実施される大会の出場は一年生からも3人選ばれるらしい。入部届を出した順の最初の3人が選ばれた。有希もその一人だ。「一年生からいきなり試合に出られる!」と単純によろこんでいた。明日から試合に向けての練習が開始されるらしい。
もう一つの話題は有希は塾に通うようになった。
「塾に行かせて欲しい!」と言われた。
ダメだとは言えなかった。
月平均の出費はなんだかんだいって2万5千円くらいになるだろう。(これでも安い方なのである)。
ゆとり教育の取り返しがこの3年間で行われる。詰め込みと言われていた時代に戻るだけでなくゆとりで省かれた授業がさらに追加され、詰め込み プラス 詰め込みみたいな授業内容になあるらしい。有希の年代が一番そのつけの代償を支払うことになる。塾に行かなければ、学校の勉強に付いていけないのだと思う。そう思っていた理由もあって、「ダメ」だと言えなかった。
有希「うちらの年代が一番損するんだよね!」
おとう「ばーか ゆとり教育の取り返しだろうがなんだろうが、勉強が出来る子は出来るし、出来ない子はできないし、そこは変わらないから結局おんなじなんだよ アホ」
有希「、、、、、、、、」
塾のある日は部活から帰ってくるのが6時半くらいで、すぐ夕食をすませて、塾に7時までいかなければならない。昨日は塾の日だったので部活から帰ってきてあわてて夕食。みよしの餃子12粒をあっと言う間に平らげてしまった。
「過密スケジュールだね 芸能人みたいだね!」とお父さんが言うと、バカの遺伝子はニヤっと笑って嬉しさを隠せなくなった。 アホ
学校では草なぎつよしが捕まった話しでもちきりだったらしい。
覚醒剤で捕まったみたいに護送車に乗せられる姿が笑える。
この事件で高感度がまた上がることになると そう読んでいる親子は我々だけだろうか。
現代版武勇伝ではないのか。
写真
撮影 有希
被写体 おとう(フォトショップで編集)