受験、部活

今年は11月13日までテニスが出来た。

集まったのは丁度の4人。皆、今年これが最後かもしれないという思いからなのか、気合が違った。(いい年のおじさん達ばかりなんだが)。ダブルス6ゲームを4セットもやってしまった。(いつもは4ゲームを休みながらダラダラやる。)。丁度4人なので、ほぼ休み無しだった。皆思い残すことなく存分だったと思う。



その日、娘と映画にいった。最近見たのは、カイジ、神々のなんとか、その日は「ステキな金縛り」。おもしろかった。

自分はもう親父になってしまったので、よっぽどでなきゃ泣かないぞ、笑わないぞバカヤローという意地悪なスタンスで映画を見るのが通例になっているのだが、そんな自分でもおもしろいと思えた感じだったと思う。

でも、見てる途中、午前中のテニスの疲れがでた。右足がつった。隣は知らない人が座っていたので、足のつりを治すべく、足を長くのばせない。せまい空間の中でなんとか、足をちょとでも伸ばすようにして、手でもみほぐしをやった。少し痛みが和らいできたその時だった。今度は左足がつった。



「い いた! いたたたぁああ!」



今度は娘の方に左足を伸ばし、和らいできたといってもいまだに痛い右足を片手で力いっぱいモミモミしながら、つりがピークに達している左足をどうすることもできないまま、あとは時間が解決してくれるだろうと、わらをもつかむ気持で痛みというか時間と戦うべくふんばった。(笑)。回りの広い場所さえ確保できれば、足のつりは何度も経験しているので、足の伸ばし方のコツでもって、なんとかできるのだが、せまい空間での同時の両足は、生まれてはじめての経験だった。いやーひどい目に合った。



ところでカラオケだが、



最近娘とカラオケにはまった。大江戸なんとかという所に、もう6回も行っている。

平日の昼間だと、1時間半でワンドリンクづつ飲み物をたのみ、全部で2人で700円くらいしかかからない。安いのである。安いので、ヘタすると平日の日中の方が混んでいる場合が多い。高齢な方々が何かのサークルの帰りに団体で寄り道をしていくケースが多く、そのため混むのではないかなぁと、自分は見た。

娘は2時間を希望するのだが、例え交代でも2時間声を出し続けると、お互いのどが痛くなるので1時間半で勘弁してもらっている。



「ビリヤード」をしたい、というので、ビリヤードにも行った。自分も実はあまりうまい方ではないのでうまく教えられなかった。でもおもしろいと感じていたみたいだ。



部活を引退してから、娘と映画やカラオケやら遊びに行くことが多くなった。こんなんでいいのだろうか、年が超えると受験だというのに、、、

最近、娘は志望校を変えた。受験の直前になってビビッて1つランクを落とすという子供達が多い(自分も昔そうだった)のだが、娘は、なんと、1つランクを上げ、そして、3者面談に望んだ。理由はそこの高校の説明会に行って、そこの高校に行きたいという気持が強くなったからだ。



志望校が落ちたらどうするのか? お父さんとの話し合いでは、近くの私立のJ高へ行って、卓球に専念しろ!と、ずーっと言いきかせてきた。現在J高の卓球部にはすばらしいコーチがいる。おそらく道内での5本の指に入る指導者なのではないかと思う。なので「特進コース」を受験するのではなく、「進学」(いわゆる普通科)を受験しろと娘には言ってきた。パンフレットを見ると「特進」でも部活と両立できるみたいに書いてあるのだが、実際のJ高の部活に所属する父兄さんに聞いてみると、特進に入ると、土日の午前中も授業があるらしく、運動系の部活は中学校と同じで土日の午前中が練習のメインになる。しかも大会は土日の午前中の朝9時からスタートという場合が多いため、特進に入ると、土日の練習には参加できない、土日の大会には参加でにないになるらしい。つまり、特進に入ると、部活動はほとんどあきらめなければならないと考えた方が間違いないとの助言をいただいた。なので普通科へ行って運動しろ!とのお父さんの希望で娘もそのつもりだった。

今年のJ高校の卓球部女子の部員は残念ながら2人だけしかいない。先日、新人戦があったので見に行ってきた。J高はたった2人だけで団体戦に出場していた。たった2人だけで団体戦に出るという、勝ち星を相手に2つプレゼントした形で試合がはじまる。1つでも負けたらその時点で試合は終わりなのだが、そんな状況下、団体戦に参加している姿は、ちと、涙がでた。ここの部活で娘がお世話になったら、なんてステキだろう。いろんなことを学べるに違いない。もし、第一志望の夢がかなわなかったら、迷うことなく、J高、普通科、そして、卓球。



お父さんは、三者面談で、第二希望はJ高の普通科を申し出た。



先生は「へ?」



「お お父さん、特進はお金がかかりませんよ!」



そう言われた。



こういうことらしい。



娘は内申点がそこそこ良いらしく、「特進コース」を選べば、例え公立との併願でもすべてお金がかからないというのだ。

制服代しか かからないらしい。



お父さんは グラっときた。



卓球をするべく普通科を選ぶというと、この特典はなくなるらしい。



そんなこと、全然知らなかった。



先生は気を使ってくれて、「そこの部分は、家でもう一回話し合って決めたらどうですか?」と言ってくれた。



家に帰り娘に言う。



「お父さんはどっちでもいい。お前の好きにしろ。」



娘は躊躇せず願書に「特進」を書き込んだ。



「お前、特進に行くって、部活が出来ないってことだぞ!わかってるのか、おい!」



「うん」



お金がかからないと聞いた瞬間、その時、グラッときたお父さんの気持を見透かしての娘の行動だったように思う。



あれだけ、卓球部に固執し、今現在活躍している高校生の選手や監督やコーチの情報を手に入れようとした。そんな親父の行動だった。



が、しかし、こんな場合、娘はおそらく、「特進」と書き込むだろうと、思った。



とんでもない親だ。





お父さんは確信犯的に



「お父さんはどっちでもいい。お前の好きにしろ。」と、言ってしまった。



もう一回、話し合いをせねばならないかもしれない。



ぐらっときたこと。確信犯的に丸投げしようとしたこと。お父さんの心の中を正直に話してみようと思う。



だが、卓球でめしが食えるわけではない。



おそらく娘の素質では全国大会にも行けないだろう。せいぜいよくて全道止まりなんだと思う。

なので卓球に固執する必要はなにもない。



ないのだが、昔の話だが、自分が高校生の時、バレーボールをしてた。んで、ラッキーにも全国へ行けた。

その経験上、思うのだが、実は運動系の部活というのは、全道止まり当たりが一番楽しいものなのである。

むろん人によりけりの感想だろうが、

全国を目指し全国で通用するための運動メニューをこなすあたりから、運動系の部活は楽しいから苦しいに変わる。

全国レベルの運動量をこなすためには、生まれつき恵まれた身体能力、消化吸収力、じん帯や腱の強さ、筋力アップの速度、要するに持って生まれた物にかなり恵まれていなければならない。不幸なのはそうでない人間が、その運動についていってしまうと、体がボロボロになる。

自分がそうだった。

自分には持って生まれたものがなかった。ヘドをはきながらも根性の精神でもって、みんなについていった。

ねん挫をし、それが治らないまま、またさらにねん挫するなんてことを繰り返した。

膝に水がたまり、それを注射で抜きながら、痛み止めをうちながら、でもそんな苦労はいつか将来の財産になるだろうと信じて練習についていった。

仲間は大好きだったため、思い出はたくさん出来たのだが、部活を引退するとき、体中は傷だらけだったように思う。

そして高校を卒業してから、10年以上、後遺症に苦しめられた。

30歳をすぎて、東洋医学の先生に出会い(気功治療師)、



「あんた、体中、怪我してるよ。」



そう言われた。



「ひとつひとつ治療してたら、とんでもないお金がかかるから、治し方を教えてあげるから、自分で治してごらん。」



電気屋さんで9000円くらいの赤外治療器を買い、その先生の指示にしたがい、教えてもらったつぼのひとつひとつに治療器をあてる毎日を続けた。

その治療は的をえているのが実感できた。

教えてもらったつぼを刺激すると、睡眠薬でも飲んだみたいに、5分くらいで睡魔が襲ってくる。なので効いているというのがとてもよくわかった。

治るのに半年はかかると言われていたが、3ヶ月くらいで、後遺症がなくなっていき、健康を取り戻してきた。

からだがどんどん楽になっていく。涙が出るほどうれしくてしょうがなかった。



今、自分はテレビでやってる全日本のバレーボールの試合を見たくもない。見るのがなんだか苦しいからだ。



その後、知り合いに硬式テニスにさそわれ、そしてはまった。

20年はまっている、いまだに楽しい。苦しい運動を経験してきたために、楽しさがひとしおなのかもしれない。



運動とはこんなに楽しいものだったのだと知った。遅すぎた春だったが、十分今は満足している。



中学、高校とも、自分の身体能力がどの程度のものなのかを見極めるべきである。良くてここまではいけるだろう、という予定みたいなものは、それでいいのか、それじゃ全然駄目なのか、親も加わって一生懸命子供のために考えてやるべきである。中学生の子供に判断させるには、難しい問題だからだ。

部活をレクレーションだと割り切れるかどうか、そこんとこが非常に肝心要なのだろう。

子供は自分の好きなことをやりたいと言うに決まっているのである。



ここに落とし穴がある。



親はなるべくなら好きなことをやらせてあげたい。そう思う。しかしその好きなことを続けてしまうがために、子供の社会性がどんどんなくなっていく例をたくさん見てきたように思う。むろんそれぞれの家庭により全然違う答えがあるのだろうが、子供の意思を尊重するという親の逃げ口上が結果的にミスリードになってしまうケースが周りにたくさんゴロゴロしてるように思う。甲子園をめざし、プロにも指導者にもなれず、結果的に読み書きが不得手で、過度な練習の後遺症に苦しみながら社会に放り出される元野球選手は自分の周りだけではないはずである。

うちの場合、娘の卓球希望がそれほど強い希望ではないため、話し合いをしやすいことはしやすい。



だからなんだと言われそうな話しのようだが、そこで、親はどうすればいいのだろう。



せいぜいよくて全道止まりの娘になんて言えばいいのだろうか。



子供があるスポーツが好きになり、その才能を伸ばそうと、のめり込んでいった親を何人も知っている。いや何十人もしっている。

まるでマラリアにでもかかっているように。



しかしそれはすべて幻想なのだ。すべてちゅーのは言い過ぎでかもだが、99.9%くらい幻想なのだと思う。



0,1%の天才の出現のために、毎年、何十万という子供の身体がボロボロになる。

夢とか、そんな安価な錯覚に踊らされて、大人は大量の不具者を実は育てている。



決めるのは本人であることに変わらないのだが、



有希とこう話し合った。

志望校に入れなかったら、J高校の特進へいく。卓球部に入るのはあきらめる。本来、志望校でかかるはずのお金の分で、有料の運動系の何かの教室(卓球とかテニスとか)に通うことにする。土日の午前中は授業となるが、午後はお父さんとテニスをする。とにかく、運動は絶対にする。そんな形で運動と両立させていく。そして将来の進路を決めていく。

こんな風に話しがついた。



せいぜい良くて全道止まりの娘と金銭的な理由に心がぐらっときた父と、そんな親子の話し合いの決着だった。

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このページは、yukijirouが2011年12月13日 14:22に書いたブログ記事です。

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